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XRCD買占めラストは、ミュンシュ指揮ボストン響によるベートーヴェンの「運命」&シューベルトの「未完成」である。
CD時代になってどうなっているのかは知らないが、この「運命」と「未完成」の組み合わせは、LP時代の、まさに「ゴールデン・カップリング」。クラシック・レコードの「花形」であった。様々な指揮者とオーケストラによる「運命」&「未完成」のレコードがリリースされ、それらは、ドヴォルザークの「新世界」、メンデルスゾーン&チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(メン・チャイ)と並び、クラシック・レコード売上ベスト3であった。
さて、今回買ったミュンシュ/ボストン響の演奏は、僕にとって特別な意味を持つ名演である。なぜなら、僕が生まれて初めて(ある意味で生まれる前から)聴いたクラシック音楽のレコードがこれだったからである。話によると、僕が生まれる前、母親が初めて買ってもらったクラシックのレコードがこれで(それまでは、ポール・アンカ、ニール・セダカ、平尾昌晃などを聴いていたらしい)、そして、僕が母親の腹の中にいた頃から聴かせてくれていたらしい。つまり僕は、生まれた時から、この演奏を知っていた事になる。
生まれてからも、僕が寝る時には、子守歌代わりに聴かせてくれて(かろうじて覚えている)、この演奏は、まさに僕の頭に刷り込まれている。
その後、二歳の時の「ハイフェッツ・ショック」で僕はヴァイオリンを志す決心をするのだが、ヴァイオリンに必要な、絶対音感をはじめとする「耳」は、何の英才教育も受けなかったにもかかわらず、ミュンシュによる「胎教」と、ハイフェッツの「ツィゴイネルワイゼン」によって身に付いたものと思われる。
そんな、僕にとって「特別」の、ミュンシュによる名演が、オリジナル2チャンネル・マスターテープ使用のXRCD24技術で蘇った。聴いていて、童心に帰ったような、何とも言えない懐かしい気分になった。「運命」におけるダイナミックな躍動感、元気が出る演奏とは、このような演奏を指すのではないか。「未完成」でも、抑揚が豊かで、ボストン響がヨーロッパのオーケストラのような音色でよく歌う。何度聴いても飽きないし、本当に懐かしい。
ジャケット・デザインも当時のものが復活し、僕にとっては人生の再スタートを切るにふさわしい名盤の復活である。これから原点に帰って新たな出発。僕の「全ての始まり」とも言えるCDである。
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