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フルトヴェングラーの素晴らしさについては今さら言うまでもないが、僕が生まれて初めて聴いたフルトヴェングラーは、1951年バイロイトの「第九」だった。その時の新鮮な感動は、今でも鮮明に蘇る。これを皮切りに、僕の頭はフルトヴェングラー一色になり、スタジオ録音から海賊ライヴまで、レコードコレクションに熱を上げる事になる。
さて、「第九」だけで何種類聴いただろう。記憶もおぼろげだが、辛うじてたどってみると、
1939年BPO 1942年BPO 1943年ストックホルムPO 1951年バイロイト 1951年VPO 1953年VPO 1954年バイロイト 1954年PO(ルツェルン)
ざっと思い出せるだけでも、これだけ聴いている。どれがベストかなんて野暮な事は書きたくないが、あえて書けば、43年ストックホルムと53年VPOは一段落ちる。まあ、どれもそれぞれ良さが有り、生で聴いた人にはかけがえのないものだろう。今回、これにもう一つ、歴史的名演が加わった。それは、バイエルン放送音源の1951年バイロイト(ORFEO C 754 081 B)である。
51年バイロイトと言えば、EMIが1955年にレコード化した物が名高いが、今回の音源は、これとは異なる。重箱の隅をつつくような研究は専門家の先生に任せるとして、今回この録音を一気に通して聴き、生まれて初めてフルトヴェングラーに触れた時の電気が走るような感動が蘇った。やはり51年バイロイトは「特別」である。
さて、一応マニアとして研究してみるが、EMIの録音にも色々有り、(指揮者入場の)足音入り、疑似ステレオなど有るが、疑似ステ、モノラル共にテープ編集ミスで、最後の音が半音低い。これは致命的だったのだが修正される事なくずっと続いてきた。モノラル盤にはその後とって付けたような拍手が入っている。これも明らかなテープ編集である。今回のバイエルン放送音源は、編集の痕跡は感じられないが、無理やり拍手をカットしたような終わり方で拍手は入っていない。ライヴかゲネプロかは推測するしか無い。最後の音の音程は正常である。また、終楽章に、明らかに音量を調節した跡が有る。さらに、"vor Gott" のクレッシェンドは無い。EMI盤は音量をいじってクレッシェンドにした可能性が出てきた。僕は、EMI盤は、足音入りのLPから最後の音の音程を修正して80分CD−Rに焼いた物を愛聴してきた。今回まったく別音源の「バイロイトの第九」が加わったことで、久々にフルトヴェングラー・マニア冥利に尽きる経験をしたと共に、「新たな名演」が加わった事を喜びたい。
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