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NHKの「クローズアップ現代」で、日本のオーケストラについて取り上げていた。企業や自治体の援助無しには成り立たない日本のオーケストラの、援助を切り詰められた現在の窮状を取り上げた番組だったが、まさに「現実」である。日本のオーケストラ・プレーヤーたちは、ごく一部の恵まれた人たちを除いて、まさに生きるか死ぬかという生活を送っている。
まず、楽器を演奏するということ自体が、体と精神に重篤な負担をかけるものであり、タダでさえボロボロになっている心体に鞭打って、札幌交響楽団の楽員たちの、涙ぐましいまでの努力が紹介されていた。他にも、オーケストラの窮状に関する噂は枚挙に暇が無い。現に東フィルと新星は合併したし、都響のトラブルも話題になった。最近では大阪の4つのオーケストラを一つに合併してしまえといった乱暴な案まで出ている。東京の某フィルは給料が3ヶ月遅配されているとか、とにかく数が多すぎる10を超える東京のオケの実態は推して知るべしである。
人間は、満たされないと心がすさんでくる。働きに見合った給料を得られなければ、ふてくされて努力を怠り、演奏で手抜きをする。そうなると、オケの質は落ちる。演奏のみならず、楽員間の「いじめ」、「吊るし上げ」、高い地位に居座り続ける引き際をわきまえないプライドだけは高い老いぼれた楽員(札響はうまく若返りを果たしたらしいが、その影には去って行った老楽員達がいたわけである)など、悪い事々が連鎖し、演奏の質が低下、ひいては客離れにつながる。
日本にクラシック音楽の需要が無いわけではない。料金がバカ高い海外オケのコンサートは盛況だし、70歳の老いぼれたパヴァロッティのサントリー・ホールでのラスト・コンサートは、S席8万5000円でも客が入ったという。トップでお金を操る人たちのクラシック音楽への理解不足が、今の日本のオーケストラの実態になっている。
これではいけない。しかし、どうしようもない。僕は学生の頃、オーケストラのコンサートマスターになる事が夢だった。ソリストは諦めていた。そんな僕に巡って来た仕事は、地方オケの第二ヴァイオリン首席奏者だった。弾けば弾くほどフラストレーションがたまる毎日。それでも職を辞して再び上京し、東京で地獄のようなスケジュールで仕事をしていたが、気がついたら身も心もボロボロ。もはや僕は、日本のオケには見切りをつけた。良くなる材料が何も無い。一番上で財布を握っている人間が馬鹿だから、こんな惨状になる。都響の騒動の時も、誰とは言わないが(有名すぎる)、一番上で権力を持っている人が理解しないために起きた騒動である。
増えすぎたオケ。有り余る人材。食いっぱぐれて路頭に迷うミュージシャンたち。もう沢山である。最後に日本の音楽ファンの人たちに一言。「日本のオケに援助を!!」
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