電気/無線/オーディオの最近のブログ記事

昔、「真空管の選び方」という記事を書き、多くの方に読まれた記録が残っているが、現在は事情が変わってきている。

と言うのも、国産球の質の良い球の入手困難な現実が挙げられる。マイナーな球ならともかく、12AX7などのメジャーな球は、国産で、まともな球の入手が難しくなってきた。元箱入り新品と称する球でも、中身は中古だったり、セレクトから外れた球が多く、過去に、「国産球が良い」と書いた僕としては、今は認識を変えなければならない。

しかし、やはり真空管は不滅である。昔のロシア球の品質は最低だったが、最近のロシア球の品質向上は目覚ましく、EHゴールド、タングソルの復刻版、ムラードの復刻版など、まともな店でセレクトされたものであれば、どんな球かもわからない国産球よりも、余程よい球が手に入る。ひとまず安堵である。

なお、中国製の球は、完全に取り残され、「安かろう悪かろう」が殆どなので、セレクト品であっても、絶対に買ってはいけない。

真空管の世界には、伝説になっている名球が有る。12AX7のテレフンケンでロングプレートのダイヤマークが刻印されたものは、音の次元が違う。僕は、たくさん集めていた東芝12AX7を全て売りに出し、テレフンケンを入手した。この音には、もう参った。後戻りは出来ない。

真空管アンプは、半導体アンプでは絶対に得られない音色の艶や色気が有る。お金はかかるが、一人でも多くの人に、真空管サウンドの魅力を知って欲しいと願っている。

カネミ油症事件を引き起こした猛毒物質、PCB(ポリ塩化ビフェニール)だが、あまりの猛毒や化学的構造の問題で、捨てる事も、化学的に処理する事も出来ず、本当に困った物質である。これは電気、特にオーディオやエレキギターの世界に生きる者としては、現在でも大問題なのである。

というのも、このPCB、電気絶縁物質として、極めて優れた性能を持っており、昔は当たり前のように、トランスやコンデンサに使われていた。今でも日本各所に、寿命を終えたPCBを使った大型トランスが、捨てる事も出来ずに保管されている。また、PCBが使われている事を知らずに捨てられてしまった物や、行方不明になったものも有り、PCBは土に帰る事は無く、地球上に蓄積されるため、これは大問題である。

僕にとっての問題は、コンデンサである。昔、オイルコンデンサの絶縁オイルとしてPCBが使われており、コンデンサとしての性能が良いため、盛んに使われていた。今はオイルコンデンサは製造されておらず、フィルムコンデンサなどにとって代わっているが、ディープなオーディオマニア、エレキギターのプレーヤーの間では、オイルコンデンサの音を好む人も多く、全てのオイルコンデンサがPCBを使っているわけではないが、昔のオイルコンデンサは、ヴィンテージ・コンデンサとして、デッドストック品が今でも高値で取引されている。

これを使って音楽を楽しむ分には良いが、処分する時が問題である。昔、オーディオ雑誌に政府通達として、オイルコンデンサを捨てないようにと警告が掲載された事が有ったが、僕が使っているマランツ#7に使われているカップリング・コンデンサ、バンブルビーは大丈夫なのだろうか。心配である。

「毒薬変じて薬となる」ということわざが有るが、これはシャレにならない。PCB以外にも、昔の乾電池には、当たり前のように水銀が使われていたし、そのものズバリ、水銀電池という電池も有った。水銀を使った電池は性能が良く、特に水銀電池は、電圧が極めて正確で安定しているという独自の特色が有り、この特性を利用したカメラが昔は有ったが、現在は水銀電池は入手不可能で、このようなカメラは使えなくなってしまった。

自作半導体アンプのカリスマで、金田明彦さんという人がいるが、金田アンプでは、昔は電源として乾電池を使っていた。しかし、水銀を使った音の良い乾電池が入手不可能になり、遂に大型Rコアトランスを使った電源装置を発表するに至った。

PCBも水銀も猛毒である。これらを使った電気製品は、現在は無いが、猛毒と知りながら、こだわりで使っている人がいる。使うのは自由だが、後始末にだけは注意する必要が有る。

50年以上昔に作られたマランツ#7のパーツで、劣化や寿命が最も心配されるのは、3点。セレン整流器、電解コンデンサ、それに、パイロットランプである。今は知らないが、当時のアーレン・ブラッドレーの抵抗は、ソリッド抵抗ながら信頼性が高く、まず大丈夫だろう。バンブルビーのオイルコンデンサは心配だが、これはオリジナル・マランツ#7の音の骨子と思われるパーツだけに、ひたすら不良が起こらない事を祈るのみだが、不良が起きたらASCのフィルムコンに交換せざるを得ない。音が激変する可能性が有り、心配である。しかし、ヴィンテージ・オイルコンデンサとしては、バンブルビーが最高であり、それ以外のオイルコンに交換するくらいなら、ASCの方が遥かに良く、劣化の心配も無くなる。セレンが駄目になったら、シリコンダイオードに交換するつもり(音は変わるだろうが仕方がない。セレンは信頼性が低いので、不良になったら再び使う気がしない)。電解コンデンサは、予備が1個ずつ有る。問題はパイロットランプ(ランプが切れても音には関係ないが、やはり気になり、精神衛生上良くない)であった。

この形状のランプは、昔は秋葉原で簡単に入手できたが、今は見かけない。最近のアンプのパイロットランプはLEDが多く、切れる心配は無い(LEDの寿命よりアンプの寿命の方が短いだろう)。先日、マランツ#7のパイロットランプが切れて、虎の子の予備に交換し、これが切れたらどうしようかと思っていたのだが、ヤフオクで、マランツ#7のパイロットランプを売りに出している人がいた。

一個1980円。何ともふっかけられたものだが、これしか無いから仕方がない。落札し、「複数お持ちですか?」と質問したところ、「有る」との事で、5個注文、小さなランプ5個に送料込みで1万円強。高い買い物になったが、これで僕のマランツ#7の不安要素が一つ消えた。

僕のマランツ#7は、店頭展示品で50年以上ほとんど通電されていなかった新古品として入手し、実際、筐体には傷一つ無く、蓋を開けて中を見ても、もちろん無改造、黄ばみやホコリやサビも無い。セレンなども全く劣化しておらず、ボリューム(クラロスタット)にガリも無く、音質も素晴らしかっただけに、パイロットランプが切れたのは予想外だったが、50年以上昔の電球だから、品質も悪かったのだろう。セレン整流器は別としても、ヴィンテージ・アンプ最大の弱点は、電解コンデンサとランプ類であり、電解コンデンサは、チューブラ、ブロック共に予備が一個ずつしか無いが、一度交換すれば10年は持つので、これからも探すつもりではあるが、小型の電解コンデンサは、場合によってはOSコンデンサに交換したり(OSコンデンサに交換すれば、寿命の心配は無くなる)、ブロックコンデンサは筐体を改造して現行品に交換する可能性も出てくる(音質は変わるだろうが、背に腹は代えられない)。ランプは、今はLED時代であり、これも、ヴィンテージ・アンプならではの困った問題である。みんなどうやって解決しているのだろう。

とにかく、オリジナルのマランツ#7の音は素晴らしい。とても50年以上昔に作られたアンプとは思えない。半導体アンプでは絶対に得られない音であり、「史上最高のプリアンプ」という賛辞は眉唾ではない。これからも愛着を持って使い続けたい。

なお、度々書いたが、オリジナルのマランツ#7は、今となっては「骨董品」に分類されるアンプであり、自分でメンテナンス出来ない人には、決してお勧めできない。値段も高価なので、買う時にはそれなりの覚悟が必要であり、内部を見てオリジナル以外の部品が付いていたり、改造されているものは、絶対に買ってはならない。内部を見て何もわからない人は論外である。

マランツ#7は伝説のアンプとなり、1970年代に、7Kというキットが発売され、約20万円と高価だったにもかかわらず、あっという間に完売したらしいが、これは、回路と外見が同じ事以外、オリジナルとは全くの別物で、組み立て前のキットはまず入手不可能、組み立て済みのものも、オリジナルの美しい配線が出来る人は限られ、出来不出来により音質が激変するので、絶対に買ってはならない。それにしても、抵抗器がアーレン・ブラッドレーではなく、低品質の代表のような国産ソリッドなのには呆れてしまう。その他のパーツ、スイッチ類もオリジナルと異なる低級なものばかりで、ここまで粗悪なキットを発売するとは悪質である。

マランツ#7伝説は続き、1990年代にレプリカ(完成品)が発売されたが(既に完売。入手するには無改造の中古を探すしか無い)、7Kと違い、これは現在出来うる最善を尽くして作られたレプリカであり、抵抗器もアーレン・ブラッドレーに戻り(ただし、今のアーレンは、昔のアーレンよりも性能や信頼性が落ちているという説が有る。現在では「音がいい」という理由で、一部のオーディオマニアに使う例が有る以外は、信頼性の面で、リケンRMA抵抗や金属皮膜抵抗に全くかなわず、普通のメーカーは、まず使わない)、スイッチなども、極力オリジナルに近づける努力がされており、メーカーのサポートを受けられる可能性も有るので、7Kよりは遥かにマシである。しかし、オリジナル時代のパーツの中には現在入手不可能なものも多く、代替えのパーツを使わざるを得ず、特に、カップリング・コンデンサがフィルムコンになっているのは仕方が無いとはいえ、音の面ではオリジナルにかなわないという説が一般的だが、それなりの音は出ると思われるので、メンテナンスに自信が無い人には、こちらをお勧めしたい。ただ、中国製の真空管(管の表記は「マランツ」だが、表記に騙されない事)だけは、絶対に交換するべきである。テレフンケンとまではいかなくても、最近のロシア製真空管の品質向上は目覚ましく、ロシア球でも音質が劇的に向上するはずである。中国球は完全に取り残され、「安かろう悪かろう」なので、これは絶対に交換するべきである。

それにしても、オリジナル・マランツ#7を入手する前に使っていた三栄無線のSP-77(マランツ#7回路アンプ)のパーツを、現在入手できる最強のパーツに変更して組んだものでも、50年以上昔に作られた、オリジナル・マランツ#7に、音の面で全くかなわないとは、一体どこが違うのか。プリント基板など色々な要素が有るのだろうが、これは謎である。名機とは、こんなものなのだろう。オリジナル・マランツ#7が伝説になるはずである。現在僕はイコライザ・アンプは使っておらず、フラット・アンプは単にシンプルなNFB増幅回路なのに、どうしてこんなに音がいいのかわからない。電子技術は本当に進歩しているのだろうか。

最後に僕の願い。一人でも多くの人に、マランツ#7の素晴らしい音を味わってほしい。7Kは論外としても、レプリカでも、球さえまともなものに交換すれば、そんじょそこらのボッタクリハイエンドプリアンプより、音は良いと思われる。レプリカは、発売当時、値段が50万円前後だったが、現在は中古の値段が下がっており、無改造であれば、お買い得かもしれない。良質なオリジナルは、現在も高価で、60万円前後、初期型で保存状態の良いものは、100万円くらいするものも有る。とにかくこの素晴らしい音に浸り、皆様が、良い音楽ライフをおくられる事を祈っている。

以前、ヤフオクで落としたプリアンプ LUX CL32(CL-32,A3032、完成品やキットなど色々有るが、僕が落としたのは完成品の CL-32) だが、馬鹿な出品者のおかげでお金を丸損し、酷い目に遭ったが、オリジナルのマランツ#7を入手し、音の素晴らしさに驚愕し、LUX が如何に貧相な音だったかが分かった(ケースを開けてみたが、安物パーツばかりである。これは名門 LUX の恥としか言いようが無く、電気に無知なユーザーを馬鹿にしている。回路は悪くないので、良い音を出すためには、抵抗やコンデンサを高品位なものに交換するなど、大改造が必要であろう)。もちろん、マランツ#7と同じ回路で組んだ自作コピーと比べても、オリジナルのマランツ#7は別格である。

日本のメーカーのレベルの低さを再確認したと共に、こんな事なら CL32 なんて落札せずに、マランツ#7に集中するべきだった。オークションでは随分無駄遣いしたが、とにかく、もうオークションは懲り懲りである。良心的な出品者もいるが、恥知らずで馬鹿な出品者もいる。オークションからは完全に「引退」である。

色々な検索キーワードで僕のホームページにやってくる人がいるが、毎日数人は来るキーワードで不可思議なのが、「オーディオマエストロ」。ちなみにグーグルで「オーディオマエストロ」を検索すると、とあるオーディオショップがヒットした。どんな店かわからないが、少なくとも耳が悪いが金だけは持っているオーディオマニアを食い物にするボッタクリショップではない事を祈りたい。確かに、僕は自分を「マエストロ」と名乗っており、ブログにはオーディオ関係の記事も多いのでヒットするのだろうが、「オーディオマエストロ」..一体何の意味が有るのか。

今回、ヘッドフォンを新しくし、ヘッドフォン・アンプをどこにつなぐか迷ったのだが、理屈だけで判断すれば、CDプレーヤーに直結するのがベストなはずなのだが、必ずしもそうならないのがオーディオの奥深さ。結局マランツ#7のプリアウト端子に接続するのがベストという結論に達した。これは理にかなっている。プリアンプとパワーアンプはペアであるが、この場合、ヘッドフォン・アンプがパワーアンプに該当するからである。

それにしても、素晴らしい音である。電気の知識も無いオーディオ評論家なる職業の人間が、「真空管アンプはCDのデジタル臭さを消す」とまことしやかにオーディオ雑誌に書いており、「本当かねぇ」と思っていたが、オリジナルマランツ#7を使ってみて、本当である事が分かった。

マランツ#7はとてつもないプリアンプである。単なる増幅器だから、回路自体はシンプルだが、さりげないアイデアが満載されており、現在に至るまで、真空管プリアンプとして、これ以上の回路は考えられない。しかも、蓋を開けて中を見ると、高密度ベーク板によるラグ配線。美しい配線の引き回しなど、これはもう芸術品である。これはとても真似できない。単に同じ回路で組めば同じ音が出るというものではない。これはオリジナルマランツ#7を入手して初めてわかった事である。それまでは、同じ回路で自作したアンプを使っていたが、オリジナルの音を初めて聴いた時はショックを受けた。

また、現在ではまず使う事は無いが、トーンコントロールが各ポジション毎にCRで特性を調整し、フラットでは完全なスルーになる構造(ロータリースイッチにCRをハンダ付けする作業は、考えただけで気が遠くなる)。こんなに手の込んだプリアンプは後にも先にも無いのではないか。普通にCRでボリュームを使った安易なトーンコントロールでは、フラットにしても、周波数特性に波が出る。回路設計に関する限り、このアンプにはかけらも妥協が無い。また、SPレコードからRIAAのLPレコードまで対応し、今では絶対に使わないテープヘッドにまで対応したイコライザや、SPレコードの再生では欠かせない周波数特性を選べる各種フィルターを装備したプリアンプも、今は無い。

メーカーは50年以上プリアンプの王者として君臨するとは考えていなかったようで、真空管ソケットやピンジャックの取り付けがリベットであるなど、今後のメンテナンスに心配な面は有るが、それでもマランツ#7は不滅の名機である。とにかく、運を天に任せて、壊れるまで使うつもりである。

とにかく、これを超えるプリアンプは二度と現れないであろう。なお、真空管アンプは、使う真空管によって音が激変する。中国球などもっての他で、せめてロシア製。出来ればテレフンケン・ダイヤマーク。僕も色々試したが、やはり、テレフンケン・ダイヤマーク以上の音が出る球は無かった。

僕が持っているマランツ#7は、店頭展示品で殆ど使われていない50年以上昔に作られたオリジナルであり、ヴィンテージ・コンデンサ(バンプルビー)など、全て当時のままで、全く手を付けられていない。セレン整流器やカップリング・コンデンサなど全く劣化しておらず、この素晴らしい音は、当時のパーツからしか出ない。電気の世界は本当に進歩しているのかと、疑問を感じる程の高音質である。オリジナルマランツ#7には、修理の際オリジナル以外の部品に交換されたものや、改造されたものも多く、オリジナルの音を保っているものは少ない。ネットオークションで出品されている場合、内部の写真が無いものは避けた方が良い。質問で内部写真をリクエストすれば、出してくれる場合も有る。ショップで買う場合は、内部を必ず見せてもらい、説明を受ける事。説明を嫌がる場合は買わない事。内部を見て何もわからない人は論外。もちろん、修理などすべて自分で行う必要が有り、誰にでもはお勧めできない。

不滅の人気にあやかって、1970年代に7Kというキットが発売され、センセーションを起こすが、僕は組み立て前のキットを持っているが、これはオリジナルとは似ても似つかぬ劣悪な代物である。外観と回路以外にオリジナルとの共通点は無いに等しい。特に、プレッシーのコンデンサはまだ許せるとしても、国産ソリッド抵抗は、低品質の代表のような抵抗器で、オリジナルのアーレン・ブラッドレーには遠く及ばない。それに、組み立ても難しく、オリジナル並みの美しい配線が出来る人は限られるだろう。また、ロータリースイッチなどのメーカーも違い、シャフトの太さも違うなど、これは、マランツ#7の名声を利用した、回路が同じ事以外、全くの別物である。無理して買った僕が馬鹿だった。今後もオークションなどで出品される可能性が有るが、決してお勧めできない。

それでも不滅の人気は衰えず、1990年代にレプリカ(完成品)が作られたが(既に完売、入手するには、オークションなどで無改造の中古を探すしかない)、現時点で出来る限りオリジナルに忠実に作られており、抵抗器もアーレン・ブラッドレーだし(マニアックな見方をすれば、オリジナル時代のアーレンと、現在のアーレンでは製造国が違い、品質も落ちており、オリジナルの音は出ないという説も有る。しかし、国産ソリッドよりは明らかにマシである)、ロータリースイッチなども出来る限りオリジナルと同じメーカーのものが使われており、7Kよりは格段にいいし、メーカーのサポートを受けられる可能性が有る。しかし、使われているカップリング・コンデンサなどが異なり(大量生産を考えた場合、現在オリジナルのコンデンサは入手不可能)、整流もセレンではない等、レプリカの限界は有る。僕はレプリカの音は知らないし、オリジナルの音が再現されているかどうかはわからない(ネットで各種情報を調べると、やはり音の面でオリジナルにはかなわないという説が一般的である)。しかし、現時点で、これ以上のレプリカは無理と考えられる。ただ、少なくとも中国製の真空管だけは交換するべきである。中国製真空管(曙光電子製、管壁の表記はマランツ。表記に騙されない事)を使うとは、手抜きにも程が有る。テレフンケンとまでは行かなくても、例えばロシア製ムラードなどでも音が激変するはずである。最近のロシア球の品質向上は目覚ましく、中国製は完全に取り残された。とにかく球を替えないと「宝の持ち腐れ」である。中国球は安かろう悪かろうなので、良い音を求めるのであれば、絶対に使ってはならない。そうすれば、元々の回路設計は優れており、パーツなどもレプリカとしてはベストを尽くしており、カップリング・コンデンサなどの質に不安は残るが、それなりの音は出ると思われる。

僕のマランツ#7がいつまで良い音を奏でてくれるかわからないが、楽しめるうちに思う存分楽しみたい。

ヘッドフォン、オーディオテクニカATH-W1000を踏み潰してしまい、仕方なく買い換えたATH-W5000だが、もう毎晩、その素晴らしい音の虜である。ヘッドフォン・アンプAT-HA5000との組み合わせで、世界中で、これ以上の音が出るヘッドフォンは無いのではないか。

世の中にはボッタクリとしか思えない高価なハイエンド・オーディオ機器も多いが、このペアは、ヘッドフォンが約7万5千円、ヘッドフォン・アンプが、現在約8万円前後と、常軌を逸したハイエンド・オーディオ機器のような、キチガイじみた値段ではない。蓋を開けて中を見ても、高品位なパーツでかけらも妥協が無く、これなら良い音が出て当然である。以前、LUX や UESUGI のアンプの中身を見て、安物パーツばかりで唖然としたことが有るが、オーディオテクニカは良心的である。

理屈から言えば、ヘッドフォン・アンプをCDプレーヤーに直結した方が音が良いと思われるのだが、僕はあえてプリアンプ、マランツ#7のプリアウト端子に接続している。色々試したが、これが最も耳あたりが良くシャープさも失わないベストな音と判断したからである。マランツ#7の凄さに、改めて恐れ入っている。

AT-HA5000は半導体アンプだが、やはり真空管を通すと、CDのデジタル臭さが消え、耳あたりの良い音になるのだろう。ピュア・オーディオの考え方からすると反するのかもしれないが、この方が音がいいのだから不思議であるとともに、アンプも一種の楽器であるのではないかと思う。考えるに、マランツ#7の終段はカソード・フォロワで出力インピーダンスが低いので、余裕を持ってヘッドフォン・アンプをドライブ出来ているのではないかと思う。

とにかく、これ以上の音は考えられないのである。安くはないが、ボッタクリハイエンドメーカーの製品に比べれば、十分安い。夜音楽を聴きたくてたまらなくなる人達には、文句無しにお勧めしたい。

ここ数年、SACDの発売ラッシュである。今までのCDと互換性は無いが、中にはSACDハイブリッドとして、従来のCDプレーヤーでも再生できるものが有る(ただし、音質は、従来のCDの音である)。とにかく従来のCDとは情報量が格段に違い、音質も、かつてない音で蘇っているものが多い。中には、DGのフルトヴェングラーのようなハズレも有るが、いずれにしても、大半のSACDは、今までのCDと音の次元が違う。CDの規格が最初からSACDだったらと思うと残念でならないが、少なくともクラシックに関する限り、今後はSACDに移行していくと思われる。後は価格の問題である。3000円程度なら許されるが、4500円などと、とんでもない値段をつけるレーベルも有り、これは完全なボッタクリである。いずれはリーズナブルになるだろう。現在CDプレーヤーの購入を検討している人は、SACDに対応しているものを選ばれることを、強くお勧めする。値段は大差ないので、それでSACDの高音質を楽しめるのであれば、対応しているものを選ぶに越した事は無い。

うちのマンションは完全防音ではない。いつ音楽を聴きたくなるかわからないから、夜間に音楽を聴くためにヘッドフォンが不可欠。音には妥協したくないから奮発して、オーディオテクニカATH-W1000とヘッドフォン・アンプ、オーディオテクニカAT-HA5000を買って10年以上愛用していたのだが...

音には満足していた。ところが、愛用のヘッドフォンを、うっかり踏み潰してしまった。なんということか!木端微塵、これはもう修理不能。40000円以上もして、いい音だったのに...踏んだ瞬間の「しまった!」という感覚は、今でも鮮明に覚えている。

こうなったら買い直すしかない。となると、同じATH-W1000を買うのもしゃくである。ヘッドフォン・アンプはハイエンドで世界中にこれ以上の製品は無い。こうなったらヘッドフォンもハイエンドしか無い。思い切って購入。オーディオテクニカATH-W5000。これしか選択肢は無かった。75265円。思いがけない出費になった。

さっき届いたのだが、ATH-W1000と違い、ハードケースが付いている。使わない時これに入れておけば、踏み潰す心配も無い。特別設計の53mmドライバー、ボイスコイルの線材はOFC8N無酸素銅線、ハウジングは縞黒檀、パッドはスペイン産ラムスキン。特長を書き並べたらきりが無い、全く妥協が無いこれ以上考えられない贅沢なヘッドフォン。音はどうか。おっかなびっくりで音を出してみると、ATH-W1000とは音の次元が違う!かつて経験が無いヘッドフォン・サウンド!これだけ出費したのだから当たり前と言えば当たり前だが、これは20年は使わないと元は取れないだろう。

10年以上、酷使に耐えてくれたATH-W1000に感謝!そして、さらば!

僕は16歳で第1級アマチュア無線技士(以下1アマ)の免許を取得したが(今は無線通信は行っていない)、当時の試験は一筋縄ではいかない記述式の大変に難しい試験であった。無線工学では最終的な答えを導くまでの途中経過も記述しないと得点がもらえない。法規の試験では、法令文を一言一句違わず記述しないと得点がもらえなかった。

難しいと言っても、プロの免許(1技、2技、1通、2通)に比べれば易しいし、無線工学は、進学校レベルの高校の数学と物理の知識に毛が生えたくらいの知識が有れば十分合格できるレベルである。対数や複素数、微積分などを必要とする問題は滅多に出なかった。

僕が受験した時は、無線工学で、常用対数 log5.7 を算出しなければならないという難問が出たが、計算尺を持っていたので助かった。電気通信術もモールスの欧文、和文、それぞれの送信、受信の試験が有り、和文の受信が天王山と言われていた。

最近の動向をネットで調べて唖然とした。記述試験はマークシート式で、電気通信術では和文が無くなり、欧文の受信だけとの事。送信の試験も無い。こんなに試験を易しくして、何の意味が有るのか。

日本はアマチュア無線に対する見識が甘く、最下級の第4級アマチュア無線技士(以下4アマ)でもかなりの事が出来る。特に、養成課程講習会という制度が有り、レベルの低い4アマを大量生産している。ちなみに養成課程講習会で免許を取った人は、「講習会アマ」と馬鹿にされている。

レベルの低い無線従事者に電波を解放しても、ろくな事が無い。僕が無線をやっていた頃も、オーバーパワーは当たり前、オフバンドで平気で通信する悪質な例も有ったが、今はどうなっているのだろう。

4アマでもかなりの事が出来るのに、上級の2アマ、1アマの試験を易しくして何の意味が有るのか。はっきり言えば、これは電気通信管理局の怠慢である。難しい試験を行うには、それ相応の能力を持った試験官が必要になる。今やそのような高度な能力を持った人が不足しているのだろう。

難しい試験を受けて1アマを取得した僕としては、最近のアマチュア無線の試験のレベル低下は腹立たしい限りである。電波を手軽に開放するという意味で、4アマを大量生産する事は、辛うじて良しとしても、見かけ倒しの上級者を大量生産する事には、意味が感じられない。

アマチュア無線の電波帯は、冒険家など、地上との通信手段がどうしても必要な人など、必然的に必要な人にのみ開放するべきである。レベルの低い4アマが電波を占領するばかりか、低レベルな上級アマがハイパワーで電波を汚しまくる事だけは、絶対に避けなければならない。電波を効率よく有効活用される時代が来ることを願っている。

素晴らしい音を奏でてくれているマランツ#7だが、製造された当時は、まさか50年以上プリアンプの王者として君臨するとは考えられていなかったようである。

まず、殆どのネジがタッピングビス。これは、いずれ馬鹿になる。ピンジャックや真空管ソケットの取り付けはリベットで、ネジではない。これでは接触不良などが起きても交換できない。

腫れ物に触るような気持ちで大切に扱わないと、いずれ取り返しがつかなくなる。画期的な回路設計や、美しい配線を考えると、何ともお粗末だが、理想主義と合理主義の両方を併せ持ったアンプであり、もちろん今さらメーカーのサポートも受けられないから、故障したら自分で修理しなければならない。

マランツ#7は折り紙付きの名機だが、扱いには細心の注意が必要。メンテナンスが出来る人で、良好な状態を維持できる人以外には、とてもお勧めできない。

それでもマランツ#7の音を味わいたければ、レプリカの中古を買う事である。これなら、メーカーのサポートを受けられる可能性が有る。しかし、レプリカは使われているコンデンサなどが異なり、整流もセレンではなく、オリジナルの素晴らしい音が出るとは限らない。僕はレプリカの音は知らない。少なくとも、中国製の真空管は、テレフンケンとまではいかずとも、まともなものに交換する必要が有るだろう。実際、今は完売したが、売れ行きは悪かったと聞いている。

数週間前から点いたり消えたりしていたのだが、今日になって全く点かなくなった。しかし、僕が入手したマランツ#7は、店頭展示品で殆ど使われていないものではなかったのか。店頭で電源入れっぱなしだったのか。腑に落ちないが、蓋を開けて各部の電圧をチェックしても、セレンの劣化は感じられないし、実際音も素晴らしい。なお、この音は、球がテレフンケン・ダイヤマークでないと得られない。50年以上昔に作られた電球だから、現在の電球よりも品質が落ちる事は、十分考えられる。僕はメンテ用に、マランツ7Kキットを持っており、これから流用して新品の電球に交換したのだが、今までよりも暗い。定格電圧が違うのかもしれない。しかし、暗いという事は、それだけ電球が長持ちするという事だから、とりあえず良しとしよう。究極を追求するなら、電源を整流して抵抗を入れ、白色LEDにする事だと思うが、今回は代替えの電球が有ったので、これでしばらく使ってみようと思う。

それにしても、マランツと心中する覚悟を決めて入手したマランツ7Kキットだが、これは、オリジナルとは似て非なる全くの別物である。パーツのグレードを別としても、ロータリースイッチのシャフトの太さは違うし、電球の明るさも違う。プレッシーの紙コンデンサや国産ソリッド抵抗の品質の低さは、今さら言うまでもない。これでは良い音は求めるだけ無駄である。

しかし、僕はマランツ#7オリジナルを入手するまでは、マランツ#7と同じ回路で、パーツを最新にしたプリアンプを使っていた。音には満足していた。最強だと思っていた。はっきり言って、この音に満足し、アーレン・ブラッドレーのソリッド抵抗や、ブラック・ビューティやバンプルビーのコンデンサを馬鹿にしていた。しかし、オリジナルマランツ#7を入手して、レプリカは知らないが、オリジナル#7と比べると、何ともギラギラした悪い意味で艶っぽい音である事に気が付いた。パーツの性能は上がっているのだろうが、50年以上昔に作られたマランツ#7の音には、言葉では言い表せない味が有る。これは、今となっては旧式の、アーレン・ブラッドレーのソリッド抵抗に、バンプルビーのオイルペーパーコンデンサ、それにセレン整流器だからこそ出る音なのであろう(なお、旧来のオイルコンデンサには、絶縁オイルとして猛毒のPCBを使っているものが有り、捨てる時は注意が必要、と言うより、捨ててはいけない)。また、高密度ベーク板によるラグ配線と、ガラスエポキシ基板によるプリント配線の差も有るのだろう。オーディオの奥深さに、改めて恐れ入っているところである。

オリジナルのマランツ#7は多数出回っているが、50年以上昔に作られたアンプだから、当然劣化しており、劣化していないとしても、改造されていたり、修理の際にオリジナルと違うパーツに交換されていたりと、本当のオリジナルの音を保っているものは少ない。僕のマランツ#7は、中身はオリジナル無改造、外側は、ツマミをシャンペンゴールドの新品に、ノブは茶色マーブルの新品に交換し、一見すると古いアンプには見えない。マランツの普遍的なデザインは、現在のアンプにも踏襲されている。全くもって画期的なデザインと言えよう。ウッドケースは、多数流通している突板仕上げではなく、木の無垢で手塗りでニスを塗った味わい深いもの。電源スイッチのスライドスイッチだけが時代を感じさせるが、これは変更のしようが無い。これからどんなトラブルが待ち受けているかわからないが、愛着を持って使い続けようと思う。

 海外に、eBay というオークションサイトが有る事は知っていた。しかし、売り主と英語でやり取りする自信は無いし、代行業者に頼むと高くつくし、どこまで信用できるかわからない。

 そんな中、eBay で、ヴィンテージ・マランツを検索していて、アンティーク調のマランツ#7ウッドケースが出品されているのを発見。どうしても欲しくなった。と言っても英語は使えない。代行業者を試してみることにした。

 値段は70ドル。これが、代行業者で手数料や送料を加えると、約18000円になる。高いが仕方がない。申し込んでみた。

 待つ事約10日。品物が届いた。一般に多く流通している突板仕上げではなく、木の無垢で、ニスを塗ってあり、手作りの感触。使用痕は無い(ネジ穴が開いていない)が、わずかにキズが有る。気にしない気にしない。

 愛機を収めてみると、一気に風格が出た。茶色マーブルのツマミ、シャンペンゴールドのノブと相まって、マイ・マランツ#7に、更に磨きがかかった。

 結論として、高くつくが、代行業者に頼めば、手軽に eBay を利用できる。もちろん英語が出来る人は、直接英語サイトにアクセスするのが手っ取り早くて安くつく。

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 はっきり言って、タフである。ここ数日、正直言って、かなり酷使したのだが、曲がるどころか折れる気配は全くない。BONDHUS など比較にならない。さすがPB。スイスメイドの超一級品である。

 良い仕事に良い道具は必須。弘法は筆を選ぶのである。そんな中、マランツ#7のツマミのネジを締めていて、六角レンチがパキンと折れた(写真左)。折れたレンチのブランドは、BONDHUS ProHold Tip Made in USA(写真中央)(スナップオンに酷似しているが、これはどういう事か)である。これとて安物ではない。1.5mm~10mm のセットで5000円以上はしたと記憶している。折れたら最後、一気に信頼を失い、セットもろともゴミ箱行きになった。

 さて、何に買い替えるか。こうなると、もう考えられるブランドは、スナップオン(アメリカ製トップブランド)かPB(スイス製トップブランド)しか無い。東急ハンズで物色したが、スナップオンは無く、PBで揃えた(写真右)。1.5mm~6mm で、7000円以上。ちなみにホルダーは別の会社のもの。

 今度は折れない事を願うのみである。PBがダメなら、もうスナップオンしか無い。スナップオンなら、折れても永久保証で新品に交換してくれるから。

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 詳しい事は省くが、先日の#7のトラブル。馬鹿な事をやってしまったと思ったが、届いたレプリカのノブを見て驚いた。出品者によると、シャンペン・ゴールドで色が合わないとの事だったが、取り付けてみると、これがベストマッチ。

 茶色マーブルのツマミと相まって、見た目が輝くほど豪華になった。マランツ#7は不滅である事を改めて思い知らされた。

 個人的な話。

 マランツ#7をいじっていて、やってはいけない事をやってしまい、格闘する事2時間。何とか無事におさまったが、途中諦めかけて、無駄な出費が9000円。こんな事なら買わなきゃよかった。

 それにしても、ネジがバカにならなくてよかった,,,トホホ...

 こんな意味不明な事でも、書くと少しは安心する。

教訓

 ヴィンテージ品を扱うのに、神経質は禁物。

 最初の3本からしばらく経ち、懲りもせずまた3本入手してしまった。マランツ#7のイコライザに使うためである。あの大きなプレートは魅力的である。6本あれば、差す場所を変えることにより、両チャンネルのノイズレベルが同じになるだろうと思って...

 差し替えども差し替えどもノイズレベルが同じにならない。ソケットの耐久性が心配になるほど差し替えたが、遂に諦めた。結局、カソードフォロワをムラードに、他の2本をEHゴールドにする事で、左右のノイズレベルが同じになった。

教訓

 ゴールドライオンの12AX7は、ノイズレベルにバラツキが多い。フラットアンプでは問題ないだろうが、イコライザのような高感度アンプでは問題になる可能性が高い。

 その後、トラブルらしいトラブルも無く、接触不良も皆無、ボリュームにガリも無い。セレンも劣化していないようで、抵抗やコンデンサがノイズを出すことも無い。音は最高。要するに、「完璧な新品同様」である。とても50年以上の月日を経てきた品物とは思えない。

 こうなると、使うのがもったいなくなってきた。

 DeoxIT を使い、接点という接点、端子、ソケットなど、片っ端から洗浄復活させたところ、音が一皮むけて、生々しさが格段にアップした。

 ただやみくもに復活剤をかけるのではなく、かけてはいけない場所も有るので注意が必要である。

 ステレオの音をリフレッシュさせたい人は、DeoxIT で接点を片っ端から洗浄してみるとよい。きっと良い結果が待っている。

 このところオーディオ関係がドラスティックに変わった。列挙すると、

CDプレーヤー:DENON DCD-SA1

プリアンプ:マランツ#7オリジナル、球は、テレフンケンのダイヤマーク

パワーアンプ:トライオード TRV-A300SE 球は、RCA5692レッドベース、ゴールドライオン300B

スピーカーシステム:コーラル4A-70を市販のエンクロージャーに取り付けたもの。

ヘッドフォンアンプ:オーディオテクニカAT-HA5000

ヘッドフォン:オーディオテクニカATH-W1000

 こんなシステムで音楽に浸っています。

 先日接点復活したマランツ #7だが、いやはや、素晴らしい音である。やはり DeoxIT の効果は凄い。新CDプレーヤーの音も、マランツよりいい。音楽漬けの毎日である。

 新古品マランツ#7だが、一部接点に接触不良が有った。長年使われていなかったため、接点が酸化していたものと思われる。こんな時に役立つのが、「魔法のスプレー」DeoxIT。

 以前、「クラモリン」という名前で売られていたものと同じと思われる。赤と青が有り、赤は接点洗浄、青は接点保護と、役割が分かれている。

 このスプレーをかけると、あら不思議、接触不良がウソのように消えた。ヴィンテージ品を使っている人には必須のアイテムである。

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 またCDプレーヤーがおかしくなった。入れたCDが出てこない。前と同じトラブル。それも前と同じ約40日目。今度ばかりは愛想が尽きた。メーカーに電話。

 「代品を貸し出すから預かって検証させてほしい」との事。「そんな悠長なこと言ってられる場合か!」と一喝し、店に掛け合って別メーカーの同価格帯の製品に差額を払って交換してもらった。

 店員の話によると、最近のCDプレーヤーはトレイが薄い(浅い)傾向が有り、そのような現象が起こりやすくなっているとの事で、トレイの深さだけで選んだ新機種は、DENON DCD-SA1

 このプレーヤー、重さがマランツの16.5キロに対し、25キロも有り、「どうすればこんなに重くなるの!?」と言いたくなるほど重い。テーブルの脚が折れそうである。

 音はというと、マランツとは全く傾向が違う。慣れるまで時間がかかりそう。今度こそ初期不良が起こりませんように。お粗末な結末であった。

 それは、上杉研究所、UESUGI UTY-12 である。

 定価は立派(33万円)、それが、ヤフオクで半額以下で出品してあったので、上記ページも見て、いかにもいい音がしそうな気がして落札した。

 品物が届き、接続、再生。まずオーケストラ。何となく強音で歪んでいる(サチっている)気がする。決定的だったのが、ピアノソロ。もうサチりまくり。バリバリと歪みが耳に不快な感触。これは使い物にならない。下取りコースに相成った。

 念のため蓋を開けて中を見ると、確かにハンダ付けはきれい。ラグ配線も見事だが、使われているパーツが安物ばかり。これではいい音になるはずが無い。しかし、本質的な問題は、回路設計そのものであろう。

 皆様、UESUGIのアンプには注意!ハイセンスなデザインやウッドケースに騙されてはいけない。能書きとは真反対の酷い音が待っている。

 先日落札した#7だが、最初は音が固かった。50年以上通電されずに固まっていたのだから仕方がない。数日スイッチ入れっぱなしでエージングしたが、今日になって、高域に、何とも熱い輝きが出てきた。これが出来たての#7の音なのか。凄い。凄すぎる。。50年以上ファンを惹きつけて離さない訳が分かった気がする。

 抵抗のノイズ、コンデンサのリークも無さそうで、とりあえず一安心。

 その#7だが、センターのレバーを茶色マーブルに交換してドレスアップし、ゴキゲンである。

 どうやら問題なさそうなので、旧機の売却を考えなければ。。。

 製造から50年以上過ぎてもファンの心をとらえて離さないマランツ#7。その、製造以来ほとんど使われていない(展示品だった)新古品が、ヤフオクで売りに出されていた。マランツ#7と言えば、先日(いわゆる)二個一の極上品を買ったばかり。しかし、こんなに状態の良いものは最後の一台かもしれない。どうしようかと思ったが、落とす事を決意。激しいビディングを覚悟してオークションに臨み、意地で落とした。熱くなったが、これを最後にオークションからは引退しようと思う。

 品物が届き、早速蓋を開けて中を見てみた(写真参照)。まずハンダ(配線)がきれい。黄ばみも無い。ホコリもたまっていない。カップリング・コンデンサ(バンブルビー)、抵抗(アーレンブラッドレー)など、長年使われた痕跡が全く無いのである。内部をいじった跡も無い。蓋を閉めて通電。セレンも劣化していない模様。心配だったメインボリュームはクラロスタットに間違いない。音質はフレッシュの一言。

 しばらく使ってみないとわからないが、今のところ、とんでもない掘り出し物を手にしたようである。ヴァイオリンに例えれば、ストラディヴァリの「メシア」である。50年の長きにわたってほとんど使われなかった、今作られたばかりのような宝物である。

 さて、これで、マランツ#7が二台になった。二台は要らないので、いずれどちらかを売る事になると思うが、少なくとも3か月は様子を見ないと、どんなトラブルが待ち受けているか判断できない。二個一ならぬ三個一になる可能性もある。しばらく様子を見よう。

[追記]

 その後、それまで使っていた二個一のマランツ#7は、買った値段と同額で売れた。

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 今日気が付いたのだが、マランツ#7の phono ポジションで、片方のスピーカーのノイズが多い。mode つまみでリバースにすると、ノイズも移動する。

 ゴールドライオン12AX7を買うに当たって、1本あたり5ドル払ってマッチングしてもらったのに、電気的特性はマッチングしてくれても、ノイズレベルまではマッチングしてくれないようだ。

 てなわけで、ゴールドライオン12AX7はあえなく引退。双極マッチのEHゴールドをとっかえひっかえして左右のノイズレベルを同じにした。

 phono は使わないからどうでもいいのだが、精神衛生上よくない。マッチングは完璧にしてほしいものである。

 今までと考えを改めなければならないようだ。アーレンの抵抗、バンブルビーのコンデンサ、セレン整流器など、信頼性の低い過去のパーツだと思ってた。しかし、エレキギターの世界では、特にコンデンサ、中でもバンブルビーはヴィンテージ・コンデンサの王者として、高値で取引されているのである。

 さまざまなヴィンテージ・パーツが集まって、マランツ#7の温かく、柔らかく、何とも耳に心地よい音が生まれている事がわかった。新しいパーツでは決して出ない音なのだろう。レプリカなんぞに手を出さず、オリジナルを入手してよかった。そのかわり、メンテは全て自分で行わなければいけないから大変である。

 先日の#7のトラブルは、フラットアンプのカソード・フォロワの球の不良だったのだが、カソード・フォロワは100%帰還のバッファーだから、テレフンケンを温存し、マツダの球にしていたため、トラブルが起こった。マツダはもう一本あるのだが怖い。そこで、テレフンケンに変えたところ、音質が劇的に向上した。テレフンケン伝説は当分続くのだろう。

2012年5月

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