音楽/芸術: 2012年1月アーカイブ

昨年が没後十周年だった。團さんとは何度も仕事をした。中でも、「筑後川」の作曲家指揮によるコンサート、「筑紫賛歌」の作曲家自身の指揮による初演は忘れがたい。昨年は没後十周年だったのだが、これといったイベントは無かった。しかし、團さんは、日本が世界に誇る、20世紀を代表する日本の大作曲家である。僕は音楽家としても、人間としても、團伊玖磨さんを心から尊敬しており、それについては過去に書いた。興味が有る人は検索してみてください(音質を落としたMP3サウンドも公開しています。是非お聴き下さい。気に入ったらCDを購入してください)。

さて、團さんは数多くの名作を作曲したが、その中で最も親しみやすいのは、二曲の祝典行進曲(それぞれ二代にわたる皇太子ご成婚に捧げられた)と、「筑紫賛歌」、「筑後川」であろう。その中で、「筑紫賛歌」、「筑後川」のCDが、廃盤の危機にある。アマゾンでも残り数枚。没後10周年は過ぎたが、これを機に、團さんの素晴らしい芸術に、一人でも多く接して欲しいものである。

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「愛しの」と言っても恋愛沙汰ではない。彼女は既に結婚している。ここで言いたいのはピアニスト藤原由紀乃さんのピアニズムの素晴らしさである。2006年のリサイタルで、僕は大枚はたいて彼女に頼んだ。これは大成功であった。ただ、予期せぬアクシデントが起きて、彼女には迷惑をかけてしまった。藤原さんのお母様にも大変なお世話になった。彼女は僕との共演は、もう懲り懲りと思っているかもしれない。しかし、もう一度彼女と弾きたい。リサイタル当時は、最強の薬を含む薬漬けで、副作用により手が痙攣してしまった。現在、ようやくメジャー・トランキライザーの呪縛から解け、軽い薬だけで生活できるようになった。もう手が痙攣する事は無い。彼女は、日本人離れの音楽性の持ち主で、「そこルバートして」と頼むと、和声に従った絶妙なルバートをしてくれる。例えば、ドヴォルザークのソナチネ4楽章の再現部への経過を聴いてみてほしい。こんな日本人ピアニストは他にいない。再び藤原由紀乃さんと共演するのは、僕の夢である。

 近代的なスタイルのチャイコフスキー「悲愴」と言えば、真っ先に思い浮かぶのがムラヴィンスキーの演奏。あんな完璧無比な演奏は二度と現れないかと思われていた(ちなみに古いスタイルの代表はメンゲルベルクとフルトヴェングラー)。1971年、カラヤン/ベルリン・フィルは絶頂期にあった。そんなカラヤンが、本気でムラヴィンスキーを超えようと録音したのがこの演奏。全盛期のカラヤン/ベルリン・フィルの面目躍如の演奏である。特に三楽章の迫力は凄い。今回SACD化され、音質が格段に良くなった。今日届いたのだが、改めて聴いて、全盛期のカラヤンの凄さを再認識した。4、5、6番のセットで6000円だが、これはお買い得である。特に「悲愴」が凄い。コンマスの席にシュヴァルベが座っているのだろう。大好きな4番2楽章の中間部も感動的。SACDハイブリッドだから、普通のCDプレーヤーでも再生できるが、特にSACDプレーヤーを持っている人は必聴である。
 

2012年5月

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