ネットオークション

 ステレオアンプの話である。僕のパワーアンプは、終段が真空管の王者300Bシングル、ドライバー段が6SN7である。

 しかし、僕は貧乏人である。WE300Bなど買えるはずが無い。先日秋葉原で最も大きな真空管屋に行ったら、1950年代のデッドストックWE300Bが38万円だった。とても手が出せず、アンプに元々付いてきた中国製と思われるレプリカを使い続けているのだが、それなりの音はしている。

 ところが、ヤフオクで見つけたMELZ1578(旧ソ連製の6SN7最強版)を落札してアンプに差してみたら、あまりにも劇的に音質が向上したのに驚いた。今まで色々な6SN7を試したが、こんなにいい音の球は、かつて出会ったことが無い。東欧球というと、安かろう悪かろうが定説だが、これは素晴らしい例外であった。

 なけなしの金をはたいて買ったRCA5692レッドベースも全く歯が立たず、値段ははるかに安い。ソ連の底力を見た。そこで、普段使い用に旧ソ連製のナンバー2であるMELZ6N8Sメタルベースを買い、これもMELZ1578に勝るとも劣らない音で、値段は1578の半額以下。なんと素晴らしいことか。

 終段が中国製でも、ドライバー段の球で、ここまで音質が向上することは新鮮な驚きであり、以来、ヤフオクで6SN7探しにのめり込んでいった。こうなると止まらない。

 そんな中、シルバニアのメタルベース新品ペアとレイセオンの新品未開封ペアが出品されているのを見て、さっそく入札した。5000円スタートで、この値段で落とせれば丸儲け。ところが、同じ事を考える奴はいるものである。レイセオンは5000円のままだったのだが、シルバニアのメタルベースは、伝説的な名球。どんどん値段が競り上がって行き、作戦変更。

 幸い、このオークションは終了時間が今日の午前零時35分。こんな時間ならみんな寝ているだろうと思い、時間ぎりぎりで横取りしようと画策したのだが、考えが甘かった。同じ事を考える奴が再び現れ、一騎打ちに...敵もさるもの、僕が決めていた上限を超えて競り上がって行き、こうなると、熱くなった僕は誰にも止められない。遂に敵が降参し、何とか落としたが、RCA5692レッドベースよりは安いものの、予算を大幅にオーバーしてしまった。レイセオンの方は、妥当な価格で落とせた。

 6SN7ペアで何種類買っただろう。もうこの辺でオークション勝負はおしまいにしたい。賭け事で大負けしたと思えば(僕は賭け事は全くしない)、安い買い物だった。しかし、抜け出せるだろうか。またとんでもない出物が現れたら入札するかもしれない。しかし、しばし休憩である。

 写真は左から、シルバニア、レイセオンである。

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このページは、Maestroが2010年7月 6日 01:07に書いたブログ記事です。

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