音が甦ったアンプで聴いているのは、何を隠そう、カルロス・クライバーのDG録音全集。CD12枚組で6700円のバリュープライス。これで「魔弾の射手」から「トリスタン」までクライバーのDG録音全てが手に入る。ただし、歌詞対訳などは付いていないので、マニア向けかもしれない。
それにしても、たったこれだけのスタジオ録音を残しただけで世を去ってしまうとは、いかにも惜しい。いや、むしろこれだけ残っていただけでも幸運なのかもしれない。稀有の天才一世一代の録音集である。
今日は朝からこればかり聴いている。聴いていると、来日公演で見た華麗な指揮姿が思い起こされて、何とも言えない気分になった。
この中で、クライバーが最もクライバーらしいのは、ヨハン・シュトラウスの「こうもり」である。やはりバイエルンのオケを振る時のクライバーは生気が全く違う。その意味では、1986年の来日公演全てを聴けた僕は幸せであった。他のオケ、ウィーン・フィルやドレスデンを振っているクライバーは、ややよそ行きの感を受ける。
本音を言えば、もっと録音を残してほしかった。しかし、これだけ残っていただけでも幸せである。


コメントする