チャイコと言っても交響曲やセレナーデではない。チャイコフスキーの駄作とされている組曲第3番である。ろくにCDも無いこの曲だが、第4曲のロココ変奏曲は素晴らしい。それよりも何よりも、ここでのマゼールが素晴らしいのである。
1963年と、マゼールとしては最初期の録音だが、後の力みや不自然な強弱やテンポの設定が無く、自然体でオーケストラを思い切りダイナミックにドライブし、絶妙のアゴーギクで曲の素晴らしさをかけらもおろそかにせず音にしている様は痛快である。最後のポロネーズではオーケストラが爆発する。本当に素晴らしい。
それにしても、チャイコフスキーのカップリングがR.シュトラウスの「死と変容」とは、レコード会社は一体何を考えているのか。いずれにしてもこのチャイコは、マゼールの最高傑作のひとつだろう。


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