僕が初めてクライバーを「只者ではない」と思った録音。VPOとのベートーヴェンでは今一ピンとこなかったのだが、これを聴いて、まさに変幻自在なオーケストラ・コントロールに唖然とした。
ドヴォルザークのピアノ協奏曲を聴いたのも、これが初めてだったのだが、チェロ協奏曲やヴァイオリン協奏曲に比べると、なんとも退屈な凡作。3楽章に入って初めてドヴォルザークらしい躍動感が出てくるのだが、クライバーの指揮も水を得た魚のような冴えを見せ、巨人リヒテルの戯れるようなピアニズムと共に、圧倒的なクライマックスに持っていく手腕は、まさに怪物。
ことによると、オーケストラがバイエルン国立だった事もクライバーが冴えている要因だったのだろうが、クライバーのCDの中で最も地味だが永遠の輝きを発する名盤である。


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